新作の詞
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【 あい かぎ 】 2014,06,13改稿 2021.08初稿
~退職の日のオフィスで、引き出しの奥に見つけた 合鍵~
それは 青春時代の 忘れ物
きみは明るい人で 僕は子供みたいで
そんな僕らを 四季ふためぐり
繋いでいたよ SHOWA(昭和)の愛 鍵
「ごめんなさい」の ホントの意味も
解りもせずに アパート出てった 僕だ
きっと 恨んでいるだろう
遠い 遠い 遠い日よ
あれは 青春時代の ラストラヴ
きみが笑わなくなり 僕は絵筆を捨てた
そして僕らの 三度目の春
役目を了えた SHOWA(昭和)の哀 鍵
いまさらなんて 思いもするが
かなわぬ夢を 見させてしまった 僕を
どうか 許してほしいんだ
遠い 遠い 遠い日よ
いつかどこかで 出会えた時は
あの頃みたく 素敵な笑顔を 僕に
どうか もいちど見せてくれ
遠い 遠い 遠い日よ
嗚呼・・・SHOWA(昭和)の あ い か ぎ

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【 氷の月 】 2024.05.29
ふたり 外に出れば
港はもう 眠りの中
男は コートの襟を立て
女は 白い息を吐く
女は どこまでも ミステリー 男には
夢が 恋しくて 日々が 愛しくて
きっと 忘れない 忘れられない
嗚呼、なんて 昭和な 岐(わか)れだね
ふたりを照らす 氷の月
店の ネオン消えて
タクシーはまだ やって来ない
男は 最後のキスをして
女を 強く抱きしめる
男は いつだって わがまま 女には
恋が 切なくて 愛が 哀しくて
はやく 忘れたい 忘れたくない
嗚呼、まるで レトロな シネマだね
ふたりの空を 風花舞う
嗚呼・・・・・・
波間に浮かぶ 氷の月
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風 人 綴 方
最近書き上げた詞の掲載と、
余白を、多目的に使用するページにしたいと思っています。

1976年製作の歌 と 27年後にリメイクした歌詞 から生まれた歌と・・・
兄 妹 (あにいもうと) 1976製作
ふと目が覚めて 窓を開けたら
外は一面の 雪化粧
港へ続く 長い坂道を
子供の声が 駆け下りてゆく
今年初めての雪に 閉ざされた町で
おまえとふたりで迎えた 二人だけの冬
この部屋にふたり 越して来てから
四つの季節が 流れていった
石油ストーブに 火を点けたら
とても懐かしい 冬の匂い
お前もいつか 目を覚まして
窓にもたれて 雪と戯れる
今日で19のおまえに 何を贈ろう
失くした愛の傷は もう癒えたのかい
僕のシャツを着て 珈琲いれてる
おまえの肩あたり おふくろに似て来た
今年初めての雪に 閉ざされた町で
おまえと迎えた ふたりだけの冬
兄 妹 (あにいもうと) 2003年改稿
ふと目が覚めて 窓を開けたら
外は一面の 雪化粧
港へ続く 長い坂道を
子供の声が 駆け下りてゆく
親父が生まれた港町 見下ろす部屋で
おまえとふたりで迎えた 初めての冬
この部屋にふたり 越して来てから 俺達
壁の暦は 一巡りした
石油ストーブの 炎見てたら
とおい日々たちが よみがえる
窓辺の雪を 両手いっぱいに
すくってはしゃぐ 僕の妹 俺の
今日で18のおまえには 笑顔が似合う
失くした恋など忘れて 町に出ようか
僕のシャツを着て 珈琲淹れてる 俺の
おまえ横顔 おふくろのよう
親父がいまでも眠る海 見下ろす部屋で
おまえとふたりで迎えた 初めての冬
水鳥が渡る 師走の空を
海風駆けて 粉雪が舞う
風人の独り言
1976年製作編は、歌詞を書いたのは前年の1975年、私が19歳とき。いわゆるフォーク的歌詞だ。字脚の違い、句割の違い。そしてメロディーが違う。そういった箇所が散在する歌詞。あの時代、そんなことは気にしていなかった。それはある意味、フォークソングの自由度というものだった。完全な自由詩であっても、そのまま歌にして歌うことも出来た。和製フォークソングの黎明期の作品には、特に多数存在する。
2003年製作編は、前作から27年後46歳のときに改稿したものだ。こちらでも 字脚、句割もいまだに 違う箇所が散在するが、作曲者の朝霞生氏が フォークソングの味を残しつつ、メロディ的には、1,2節 同じ音符の中にほぼなんとか、収めてくれている。
内容的には、妹の方の年齢は1歳しか違わないが、兄の方の年齢を多少高めに設定し 歳の差のある兄弟にした。
兄妹の過去の物語的要素を加味したせいだ。
1975版 【 兄妹 】 スタジオ録音(4トラック オープンリール)
作詞:風人
歌唱:蜃気楼
コーラス:Y.三原
作曲:Y.大西+蜃気楼
編曲:蜃気楼(グループ名)
リードG:Y.川端 サイドG:Y.三原
2004版 【 兄妹 】 DTM
作詞:風人
作曲・歌唱:朝霞生
編曲:流京春